
これから購入するあらゆるポリエチレン圧力管は、三つの数字で言い表せます。外径、肉厚、そして材料グレードです。SDR はこのうち前の二つを一つの比にまとめたもので、耐えられる圧力を決めているのは口径ではなく、この比のほうです。
買い手が最も意外に思うのがここです。DN110 の SDR 11 と DN630 の SDR 11 は、まったく同じ圧力に耐えます。大きいほうは肉厚がはるかに厚いのですが、比率としては同じ厚さであり、圧力等級は比率に従います。
SDR とは実際に何なのか
SDR = OD ÷ wall thickness
外径はミリメートル、肉厚は最小肉厚をミリメートルで。いずれも呼び値ではなく実測値です。
SDR が小さいほど、内径に対して肉厚が厚く、圧力等級は高くなります。SDR 7 は鉱山向けの厚肉管、SDR 41 は無圧または低水頭用の薄肉管です。数字が「大きいほど丈夫」という直感と逆に走るため、これが私たちの見る仕様ミスの最大の原因になっています。
メートル法の道筋 —— ISO 4427 と EN 12201
北米以外では、圧力等級は PN で表します。20 °C の水を 50 年送り続けたときに耐える呼び圧力を bar で示したもので、樹脂の最小要求強度と設計係数から導かれます。
PN = (20 × MRS) ÷ (C × (SDR − 1))
MRS は最小要求強度(MPa)で、PE100 は 10.0、PE80 は 8.0。C は設計係数で、ISO 4427 の水用は 1.25 です。
PE100 と C = 1.25 を入れれば、PN の表全体がたった一回の割り算から出てきます。ISO 圏では PE100 の SDR 11 がどの口径でも、どのメーカーでも PN 16 になるのはこのためです。
| SDR | 圧力等級 | 呼び圧力 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| SDR 7.4 | PN 25 | 25 bar | 鉱山尾鉱、高揚程ポンプ送水 |
| SDR 9 | PN 20 | 20 bar | 圧送管路、工業プロセス |
| SDR 11 | PN 16 | 16 bar | 上水配水の標準 |
| SDR 13.6 | PN 12.5 | 12.5 bar | 水頭に余裕のある配水 |
| SDR 17 | PN 10 | 10 bar | 幹線、自然流下系統 |
| SDR 21 | PN 8 | 8 bar | かんがい、低水頭移送 |
| SDR 26 | PN 6 | 6 bar | 圧送排水、農地排水 |
| SDR 33 | PN 5 | 5 bar | 極低水頭、更生管 |
| SDR 41 | PN 4 | 4 bar | 自然流下、さや管 |
ヤード・ポンド法の道筋 —— ASTM と PE4710
北米の実務も物理は同じで、別の語彙を通って psi にたどり着きます。樹脂は PE100 ではなく PE4710 と呼ばれ、強度は psi の静水圧設計基準で表し、安全率の当て方も異なります。
PR = (2 × HDS) ÷ (DR − 1)
HDS は静水圧設計応力(psi)で、73.4 °F の水用 PE4710 では 1,000 psi。HDB 1,600 psi に設計係数 0.63 を掛けた値です。
| DR | 圧力等級 | 近いメートル等級 | 差 |
|---|---|---|---|
| DR 7.3 | 333 psi | PN 25(363 psi) | メートル等級のほうが高い |
| DR 9 | 250 psi | PN 20(290 psi) | メートル等級のほうが高い |
| DR 11 | 200 psi | PN 16(232 psi) | メートル等級のほうが高い |
| DR 13.5 | 160 psi | PN 12.5(181 psi) | メートル等級のほうが高い |
| DR 17 | 125 psi | PN 10(145 psi) | メートル等級のほうが高い |
| DR 21 | 100 psi | PN 8(116 psi) | メートル等級のほうが高い |
| DR 26 | 80 psi | PN 6(87 psi) | メートル等級のほうが高い |
温度 —— 手遅れになるまで誰も当てない減圧係数
上の二つの表はいずれも常温の水を前提にしています。ポリエチレンは温度が上がると強度を失い、その落ち方は小さくありません。40 °C のプロセス水なら定格のおよそ四分の三、60 °C ならおよそ半分です。
| 使用温度 | 係数 | SDR 11(PN 16)は | SDR 17(PN 10)は |
|---|---|---|---|
| 20 °C | 1.00 | 16 bar | 10 bar |
| 30 °C | 0.87 | 13.9 bar | 8.7 bar |
| 40 °C | 0.74 | 11.8 bar | 7.4 bar |
| 50 °C | 0.62 | 9.9 bar | 6.2 bar |
| 60 °C | 0.50 | 8.0 bar | 5.0 bar |

実務で SDR を選ぶ
- 1
その管が受ける最大圧力から出発する
常用圧力ではなくサージ圧です。ポンプ始動と急閉はいずれも定常値を大きく超えます。PE は剛性材料よりサージに強いものの、等級はそれを含めて満たす必要があります。
- 2
温度係数を当てる
埋設の上水は 20 °C に十分近いので無視できます。プロセス水、鉱山用水、暑い気候の露出配管はそうはいきません。
- 3
用途だけでなく施工方法も見る
非開削工法では、常用圧力とは無関係に引込み時の荷重がかかります。推進や更生では、水頭に関係なく SDR 17 以上の厚肉になるのが普通です。
- 4
樹脂グレードを書面で確認する
同じ SDR でも PE100 と PE80 は丸一等級違います。グレードを明記しない見積もりは、明記した見積もりと比較できません。
実際の入札で見かける四つの誤り
- 圧力等級と肉厚が矛盾している。図面には PN 10 とあるのに、数量表は DN200 で肉厚 10 mm ——それは PN 12.5 です。
- psi を算術的に bar へ換算し、その値をそのまま等級として要求する。200 psi は 13.8 bar ですが、そんな等級はありません。求めているのは PN 16 です。
- 同じ用途なら口径が大きいほど SDR を下げるべきだと考える。その必要はありません。ただし荷役とサージについては、より慎重に考える必要があります。
- 同じ SDR で PE100 の価格と PE80 の価格を並べる。PE80 は一等級下であり、当然安いはずです。
印字表示を読む
ここまでの内容はすべて管そのものに印字されています。一般的な表示は、メーカー名、PE100、DN110、SDR 11、PN 16、準拠規格、製造年月日、ロット番号の順です。判読できる印字のない製品が入荷した場合、仕様との照合ができず、後日不具合が出ても原料ロットまで遡る手立てがありません。
